軌跡 File #02 開発

「一つの文化作りです」
次世代共用サーバーiCLUSTAは、iSLE 第3代目のサービスです。iSLEの2代目ヴァーチャルサーバー開発の後、もっとサービスとして高めていけるのではとの思いからiCLUSTAの開発はスタートし、私はこのプロジェクトマネージャーを任されることになりました。プロジェクトメンバーは、技術力を優先して集めた新メンバーだったのですが、それは当社の歴史を知らないということでもあったため、ビジョンやマインドにズレが生じてしまい、プロジェクトの進行が難航するという事態に陥ってしまいました。最終的には、他のメンバーにも協力を依頼し開発を続け、強引な形ではありましたが、何とか乗り越えることができました。このプロジェクトの経験を通して、同じマインドでゴールに向かって仕事をすること、そしてマネジメントすることの難しさを学びました。
現在は新規開発グループという部署に所属していますが、リリースの後のiCLUSTAの面倒を見ることも重要な業務の一つです。システムが設計される段階では、そのシステムを拡張していく際のポリシーや意味を持って設計されているのですが、サービス拡張の際にそのポリシーを無視したものを付与すると、それが積み重なることで、システムとして煩雑なものになってしまいます。それを避けるために、初代の設計者である私が、必ず口を出すようにしているのです。システムは秩序作りでもあります。システム構成や実装は、当初のあるポリシーに基づいて設計されているということをしっかりとコミュニケーションをとって周囲に伝え、理解してもらう。一つの文化作りと同じとも言えるのですが、まずスタッフ一人ひとりがその文化作りに参加してもらうようにするのが始まりです。そして参加するだけでなく、文化を作るんだという共通した意識・価値観を個々人に持ってもらうように取り組み続けた結果、徐々に浸透してきたように思います。
「自分の未熟さに気づかされる日々」
開発のためのネタ探しは、意外と身近なところにあります。ほとんどの人がまだ気が付いていない問題でもいち早く発見し、原因の調査や対応、更には次回への反省材料などとして自分自身で勝手に仕事を作っていくことがあります。また時間がある時に、Linux をはじめとした色々なソフトウェアや、ハードウェアをいじって遊んで得た知識がよく活きると感じることもあります。いざ新しい仕事をする時に、何の抵抗もなく、取り組めたりするのは、仕事で得た知識ももちろんありますが、普段からいじっていじっていじり倒して、時にはシステムを破壊するぐらいのオペレーションをすることもありますが、そういう「遊び」の中で得た経験が後々で重要になります。
日常業務の中にはシステムの障害対応もあるのですが、これは、自分の知識の未熟さを教えてくれる瞬間でもあり、障害対応を乗り越えた後は、大きな達成感を味わうこともできます。今まで動いていたものに問題が起きた際に、なぜ問題が起きたのかと考えると、それは見えない欠陥があったからでその時、改めて自分の知識の未熟さに気づかされます。これが正しいと思ったのに、実際に問題が起きてしまった、「じゃあなぜか」ということを追求することで、自分への反省とともに、それが新しい知識になりうるのです。これは自分が開発したものだけでなく、同時に世間一般で提供されている様々なサービスでおきる諸問題からも、同じように自分の未熟さに気づかされます。このような「気づき」により、まだまだ私自身勉強中だという意識を強く持って仕事に日々取り組んでいます。
「必要なのは困難に立ち向かえる姿勢」
ホスティングサービスの今後の方向性はサービスとしてより、インフラ化していくと考えています。アプリケーションを選ぶとたまたま当社のホスティングサービスが付いてきたというように、お客さまからは次第に見えないサービスになっていく、これはある意味では成熟したインフラと言えると思うのですが、そのような形に変わっていくだろうと考えているのです。この流れの中で大切なことは、ホスティングサービスの基本である耐障害性を高めていくのはもちろんのこと、お客さまに喜んでもらえるサービスをより拡充させ、ホスティングサービスとしてトータルの価値を高めていくこと、そしてその目標を全社で共有してくことだと考えています。
価値を高めていくと一言で言っても、それを実際に形作るのはスタッフになります。そのスタッフとして求められるものとしては、やはり困難に立ち向かえる姿勢だと言えます。当社はホスティングサービス業界ではリーディングカンパニーです。つまり手がけることのほとんどがゼロからのスタート、初めて手がけることが多いのです。そんな中、もし仮に困難にぶち当たったとして、妥協したら、そこまでです。また開発というものは、困難を極めるのが至極当然であって、最初に考えた設計が、開発を進めて行くうちに後々で通用しなくなってくることが多々あります。そういう時に、作ってきたものを投げ捨てて、またゼロから設計・開発となることがありますが、それを怖がったりネガティブに捉えるような人ではなく、厳しい状況であっても、それを充実感としてある意味では楽しめるぐらいの気持ちを持てる人であって欲しいです。そして最後まで追求し続ける姿勢。仕事を楽しめる人であれば困難も困難として捉えず、乗り越えていけると思います。
私も、多くの困難にぶちあたってきましたが、時にはもがき、苦しみながら、心底では楽しむことを忘れることなく一つひとつ乗り越え、ここまで来れたと今、実感しています。

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